「大人の読書離れ」が指摘されて久しいですが、実際のところどんなもんなのでしょうか。
データで見てみたいなーと思ってたら、文化庁が国語に関する世論調査で時々読書量についても調べているようですね。
(出展:国語に関する世論調査)
ここ10年ぐらいで働きざかりの20代から40代までの不読率がガツンと伸びてます。
このデータは2015年のものと少々古いのですが、SNSやYOUTUBEが当時よりも発展していることを踏まえると、より不読率が上がっている可能性のほうが高いと考えられます。
で、読書量が減っている理由として圧倒的に多かったのが「仕事や勉強が忙しくて読む暇がない」というもの。
うーん。
ある程度世相もあるとはいえ、このままで良いのでしょうか。
今回は「読書」について考えてみたいと思います。
- 読書をすることで「幸福度があがる」というデータがある
- 読書家にとって魅惑のスキル「速読術」
- 速読やフォトリーディングは練習しても無意味らしい
- 効率よく読む為には「ポイントをサーチしながら流し読む」
- 読書の目的は完読じゃなくてその本から何を吸収できるか
- 本当に良かったと思える本だけ、二度目、三度目と深度を上げてこう
読書をすることで「幸福度があがる」というデータがある
そもそも読書って娯楽じゃね? わざわざ本を読む意味あんの?
読書家には悲しい意見ですが、そうお考えの人もきっといるでしょう。
でも読書をすることによって得られるメリットはちゃんとあって、リバプール大学やエジンバラ大学など複数の機関で調査済なんです。
読書のメリットをかいつまむとこんな感じ。
- 言語的および非言語的な認知能力が高まる
- 生活の満足度が高くなる
- 憂鬱な気分になる頻度が下がる
英語に自信がある方はQuick Readsの調査レポートもご覧になってくださいね。
逆説的ですが「仕事で忙しいからこそ、読書しないとだめじゃね?」といえそうです。
読書家にとって魅惑のスキル「速読術」
しかし読書家を自称している私自身ですら、なんやかんやで読書の時間の捻出は悩みのタネ。
読書する時間が限られているなら、効率をあげていくしかありません。
そんな私のような考えをもつ人が一度は通る道、それが「速読術」です。
ご多分に漏れず私も速読やフォトリーディング関連の本を数冊読んだんですけど、どうも性に合いませんでした。
というか、中身がつまらないので普通の本よりも遅読になってしまうという・・・。
速読やフォトリーディングは練習しても無意味らしい
要は「速読術」の習得に頓挫したという話なのですが、これって一概に才能の問題でもなさそうなんですよね。
「脳の構造上、速読と理解力の両立は不可能」と結論付けている、カリフォルニア大学の考察もあります。
いずれにせよ、読書のプロセスはこの3つで成り立つと考えてますので、
「目から文字を取り入れる(眼球)」
→「組み立てて文脈として理解する(左脳)」
→「そこから情景を想像する(右脳)」
眼球運動を鍛えることに特化したり「潜在意識が云々」という読書テクニックは、私の中では「眉唾もの」と結論付けています。
効率よく読む為には「ポイントをサーチしながら流し読む」
巷の読書術の怪しさはすでに述べましたが、効率観点で考えると読書の仕方に一考の余地はあると思います。
今の私の読書スタイルの参考になった本はこれ、「王様の速読術」です。
「結局速読術かい!」ってタイトルなんですが、眼球運動を鍛えたりとかそういう内容ではありません。
かいつまんでいうと「完読を目指さず、ポイントをサーチしながら流し読む」読み方です。
具体的にはこんな感じです。
(1)見出しを読む
(2)最初の数行を読む
(3)飛ばし読みをして、気になる単語があればその近辺を読む事実を裏付けるための作者の体験談や主張は、長そうだったら割愛
小説のように細かい描写も楽しむような本は別にせよ、このやり方でかなりスピードがあがります。
つまり、最小の時間投資で最大の成果が出る読書方法といえます。
読書の目的は完読じゃなくてその本から何を吸収できるか
王様の速読術から学んだ内容で一番目からウロコだったのは、「ゴールが内容の理解ではなく、完読にすり替わっていないか?」ということ。
結局、頑張って一言一句読んだとしても、読み終えた後に覚えている内容って、見出し以上のものってあまりないんですよね。
極論、読書は目次を読むだけで事足ります。
あくまで本文は内容を確信に変えたり、驚きや感動をもって記憶に定着させる上で必要、という考えなんです。
それに読書はマラソンじゃありません。
無駄な地点はタクシーでぶっ飛ばしても全く問題ないんです。
自分の足で走ることにこだわって、結局リタイアしてしまうほうが大きな損失と考えるべきです。
本当に良かったと思える本だけ、二度目、三度目と深度を上げてこう
好きな映画を何度もみていると、今まで見落としていた描写に実は深い意味があることに気づいたり、製作者のちょっとした洒落に気づくことってありませんか?
なぜそういうことが起こるかと言うと、その映画を反復して見ることで「習熟度」があがるからです。
本も同じで、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目のほうが「より深く鋭く」読むことができます。
それが本との対話であり、自己との対話といえましょう。
冒頭にも書きましたが、読書をすることによって「幸福度が上がる」というデータもあります。
また、本から得られるボキャブラリーやインスピレーションはあなたの行動や仕事の質を高めてくれますよ。
あなたもぜひ自分なりのやり方で、有意義な読書の時間を過ごしてくださいね。
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