現在のアラサー・アラフォー周りの男子には、遺伝子に組み込まれるほど影響を受けたカルチャーが3つあります。
ひとつはドラゴンクエストⅢ。
ストーリーや素晴らしい音楽、斬新な転職システムなどで「マイドラクエナンバー1」にあげるほど熱烈なファンがいます。
発売されるなり数キロの行列が出来る等、社会現象にもなりました。
次にキン消しです。
コレクター心をくすぐるカプセルトイの先駆けで、ガチャガチャの虜になった人は多数。
親世代にでガチャガチャに理解があるのは大体この世代です(笑)
そして最後がビックリマンチョコです。
いわずとしれたおまけシールの帝王です。
30円と安価ながらも複雑なストーリー性と秀逸なキャラデザイン、うまく混入した「ヘッド」と呼ばれるレアシールで大人気を博しました。
ヤマト神帝が主人公のアニメにもなり、お菓子とアニメがうまくクロスオーバーしていたことも印象深いですね。
さて、今日は「ビックリマンチョコ」について話をする・・・のではありません。
ビックリマンと名前も似ているのだがまったくの別物、「ドキドキ学園」について語りたいと思います。
- 当時は購買すら困難だったビックリマンチョコ
- 突如現れた謎のチョコ菓子
- ドキドキ学園の特徴1:レア素材を駆使したゴージャス仕様
- ドキドキ学園の特徴2:レアシールの大盤振る舞い
- 素材のデザインもレトロシールの最高峰!水嶺神
- 最強最悪の敵「ヘルゲル魔皇帝」
- ヘルゲル魔皇帝の側近「妖奇魔博」
- 「当たり」システムの立役者、正義の天才科学者ドクターION
- 過去のシリーズがファイル付きであたるという大盤振る舞いも
- とどのつまりは物で釣るシステム。でもそれがいい!
- ドキドキ学園は夢の詰まった素晴らしいシールです!
当時は購買すら困難だったビックリマンチョコ
今でもコンビニで見かけるビックリマンですが、80年台から90年台にかけてのビックリマン人気は異常でした。
「入荷=即完売」はあたりまえで、シールを巡って恐喝めいたことも起こり社会問題になりました。
心あるお店ではできるだけ大くの子ども達が買えるように「一人3個まで」という風に購入個数制限をしていたんですね。
それでも買えるならいいほうで、大抵は即完売。
その希少性がデフォルト故に、稀にしか出ないヘッド(キラシール)に子どもたちのハートは完全に掴まれていました。
突如現れた謎のチョコ菓子
たまに近所のスーパーにいくと、告知なしでビックリマンチョコを販売していることがあるんですよ。
まぁお菓子で「告知がある」ってこと自体が普通ではないんですけど。
そういうわけで、小学校の放課後は小銭を握りしめて友達とスーパーを回るのが日課でした。
勉強そっちのけでビックリマンに没頭する日々の中、ある日ビックリマンに似たお菓子を各所でみかけるようになります。
その名は「ドキドキ学園」。
値段もビックリマンチョコとおんなじ30円です。
しかもお菓子までおんなじウエハース。
何よりも名前が・・・ビックリではありません、ドキドキです。
今なら完全にアウトな感じですね。
後にこのドキドキ学園に、私のハートは完全に掴まれてしまうことになります。
ドキドキ学園の特徴1:レア素材を駆使したゴージャス仕様
ビックリマンのパ○もん感しかないこのドキドキ学園ですが、ビックリマンとは決定的に違うことがありました。
それは「ゴージャスでファビュラスなレアシール」仕様です。
通常ビックリマンのレアシールだと基本的にプリズム、稀にホロシール(ホログラム・角度によって色が変わる)です。
しかしドキドキ学園の場合、プリズムやホロシールはあたりまえ。
それどころかレンズのようなものを駆使した素材であったり、角度によってプリズムとホロが切り替わったりするような珍しい素材のシールにもの凄く力をいれてました。
ドキドキ学園の特徴2:レアシールの大盤振る舞い
ビックリマンチョコは一箱(30個入り)に対し、「ヘッド」と呼ばれるレアシールが1枚か2枚はいってます。
対するドキドキ学園はというと、一箱に10枚近くははいっていたのではないでしょうか。
10個ぐらい買うと、2~3枚ぐらいはキラキラが出てた体感記憶があります。
この大盤振る舞いは、ビックリマンを買えない落胆を埋めるにあまりあるものでした。
そんな採算を度外視したドキドキ学園のシールを、何枚かご紹介したいと思います!
素材のデザインもレトロシールの最高峰!水嶺神
写真だとちょっと伝わり辛いかと思いますが、これは「パラポリックスレンズシール」と呼ばれるもので、泡のような模様が見る角度によって揺れ動いて見える実に美しいシートです。
キャラクターの顔つきもなかなか精悍で、ビックリマンでいうところの「ヘラクライスト」っぽい品のあるキャラクターデザイン。
ただ残念なのは、このキャラクターがどういう位置づけでどれぐらいの強さなのかが全くピンと来ない点でしょうか(笑)
同人感が満載、ともいえなくもありませんが。
とにかくビックリマンと違って一貫したストーリー的なものを感じないので、キャラへの感情移入度はほぼないのが難点。
アリババがゴースト化したときは心底心配してましたからね、私は。
最強最悪の敵「ヘルゲル魔皇帝」
ビックリマンが「天使VS悪魔」の基本構図なのに対し、我らがドキドキ学園は「開運」と「妖怪」との戦いです。
(ほんとに大丈夫だったのか?この設定・・・)
ビックリマンのヒールにスーパーデビルやブラックゼウスが控えているのと同様、ドキドキ学園の「妖怪」サイドにも最大最強のボスがいます。
それが「ヘルゲル魔皇帝」様なんです。
なんだろう、このドラクエⅡのシドーとハーゴンを足して2で割ったようなデザインは…。
素材はラメで、プリズムとは違った趣があってキレイですね。
悪の親玉感があるかといわれると微妙ですが・・・(こういうパターンが多いのもドキ学の特徴)
ヘルゲル魔皇帝の側近「妖奇魔博」
そしておとなりにいる、もうひとりの顔色の悪いのが「妖奇魔博(ようきまはく)」です。
(カメラで写すのが難しいのですが、とってもキレイなシールです)
こちらはレンズシールを使用されており、おそらくシール素材の中でも高額の部類。
わざわざフィルム個梱包されて、シールに混入されてました。
ところでこの2体の妖怪、大物には違いないのですがどれだけ戦闘能力が高いかはまったくもって不明。
何度もやられては姿形を再生して登場してくるので、徐々に「またおまえか」感の増してくるキャラクターでもあります。
「当たり」システムの立役者、正義の天才科学者ドクターION
続いて正義サイドの重鎮、「ドクターION」の紹介です。
いかにもといった精悍な顔つきですね。
立ち位置的に「妖奇魔博(こいつも科学者)」のライバルといった設定でした(確か)。
特筆すべきはこのシールの入手経路にあります。
ご覧の通り2枚のシールが1枚ものとして印刷されており、サイズ的にチョコの中には封入できません。
実はこのシール、「当たりシール」が出たもらえる(ただし郵送)という反則・・・ないし販促物になるんです。
レアシール大放出に加え、当たりくじつき!
一つ30円のコストを考えると、当時いかに景気が良かったにせよ驚愕と言わざるをえません。
この手法はよほど売上に貢献したのでしょう。
ION以降もちょこちょこ目にすることになります。
過去のシリーズがファイル付きであたるという大盤振る舞いも
景品システムはIONのように新規のシールもあれば、過去のシールの「復刻」という場合もあります。
たとえばドキ学の初期に出ていた「天空神」という4枚一組のシールがあるのですが、専用の格好いいファイルに挟まった状態で一気にコンプリートできるというキャンペーンもありました。
もう子ども達はあたりほしさにシールを買っちゃいますよね。
うん、このファイルもやっぱりかっこいい。
とどのつまりは物で釣るシステム。でもそれがいい!
ドキドキ学園は、ビックリマンのように一貫したストーリーはありません(ないことはないんでしょうけど、印象はゼロ)。
一応主人公っぽい「最強神」と呼ばれる連中もいるのにはいるのですが、なんせストーリーがあってないようなものなので何も感情がわきません。
それでもシールを買ってしまうのは、純粋に「シールそのものがカッコいい」からなんですよね。
もちろん、ビックリマンを売っていたらそっちを速攻で買うんですが、そうでないときはドキドキ学園を買う、みたいな。
そんなドキドキ学園も時代の波に呑まれ、現在消えてしまったのはファンとしては寂しい限りです。
ビックリマンはなんだかんだで一旦消えては復刻をし「コラボ」という形で現在まで生き残ってますからね。
ドキドキ学園は夢の詰まった素晴らしいシールです!
どうしてもビックリマンとの比較は避けられない宿命、結構ヒドイことも書いてしまいました(笑)
でも、当時にしては凝ったデザインや珍しい素材で作られたシールは、紛れもなく芸術性の高い作品ではないかと思います。
特にシールを創作している現在クリエイターさんは、「水嶺神」の凄さを是非手にとって見ていただきたいと思います。
今でもアルバムを開いて眺める度に、当時の楽しかった想い出を「ドキドキ」と共に蘇らせてくれるとっても素敵なシール。
私が死んだら棺桶に入れてでもあの世に持っていきたいと思うほど愛しています!
以上、ドキドキ学園の思い出でした(笑)