「発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術(借金玉)」という本を最近読みました。
すごく面白かったです。
著者の借金玉という人は発達障害の当事者だそうですが、自身の体験談から、「出来ないことをどう補うのか」を考え、実践されてきました。
その結果役に立ったテクニックをまとめたのが本書です。
- 誰しも発達障害に近いものをもっている
- 苦手なことを克服する手段は「努力」か「仕組み」
- 「やればできる」という呪縛から自分を解き放とう
- 「やっても出来ない」から「どうするのか」を具体的に考えよう
- 逆上がりや跳び箱なんて出来なくっていい
- わたしはわたし ひとはひと
誰しも発達障害に近いものをもっている
実は私自身、発達障害の傾向はいくつか持っていると思ってます。
特定のカテゴリへのこだわりが強い、空気を読むのが苦手なところがASD、部屋の片付けが苦手だったりするのがADHD。
球技全般が苦手な点は「固有受容感覚(深部感覚)」の未発達…など。
ちゃんとした診断は受けてはいないのですが、おそらくいい線をいくのではないかと思います。
ですが、出来ることや苦手なことは誰しももっているものです。
その振り幅の大きさで「発達障害かそうでないか」を区別する事に間違っているように思えてなりません。
苦手なことを克服する手段は「努力」か「仕組み」
話は戻って借金玉さんのスタンスは「出来ない事は出来ないと諦め、それをどう補っていくか」が明確です。
概念ではなく手法で書かれているので、「これは自分にも役立つかも」という具体的なネタが沢山散りばめられているんですね。
借金玉さんの本を読み終えた後、苦手なことに対して2つの手法があることに気付かされました。
1つは「努力して克服する方法」。
そしてもう1つは「仕組みで克服する方法(ライフハック)」です。
どちらがよい悪いではなく、必要に応じて使い分けることがとても大事なんです。
「やればできる」という呪縛から自分を解き放とう
私たちの中に、幼少のころから強烈にインプットされている言葉があります。
それは「やればできる」という言葉です。
しかしそれは真実ではなく、どんなに努力しても出来ないことはあると思います。
それなのに「やれば出来るから頑張ろうよ」と励まされるから、エラーアンドエラーでどんどん自己肯定感が下がっていくのです。
「やっても出来ない」から「どうするのか」を具体的に考えよう
むしろ「やっても出来ない」という視点から考え、それを補う手法について考えたほうが合理的です。
いつも教科書を忘れてしまうようであれば、家用と学校用にそれぞれ教科書をおけば忘れることはなくなります。
洋服で散らかるようであれば、必要最低限の枚数に減らしておけばいいのです。
名刺を交換した相手の顔を忘れるようであれば、名刺の裏に似顔絵でも書いておけばいいんです。
「そんなことはあなたの怠慢だ。 意識が足りないだけだ」という意見も出るかもしれませんが、そんなものは無視しましょう。
問題の対処にどれだけの代償を払うかは自分自身で決めることだからです。
それに、私達の努力のリソースは無限ではありません。
10努力して12ぐらいリターンがあれば努力する価値はありますが、同じように10努力して僅か1程度のリターンがあるかないかであれば、はっきり言って努力する価値は低いのです。
自分がどう頑張っても出来ないことは、対処する仕組みを考えて「極めて合理的に」対処するのが正解ではないでしょうか。
逆上がりや跳び箱なんて出来なくっていい
子供の頃、毎日何時間も練習してやっと出来るようになった逆上がりや跳び箱。
あなたのその後の人生に役に立ってますか?
私は30数年生きてますが、いまのところ役にたつような場面に出会ってません。
死ぬほど練習して出来るようになった逆上がりで学習したものは、「やれば出来る」ではなく「出来るまでやれ」という呪縛ではないでしょうか。
そんなくだらない考えが「出来ないことが多い人」の有能感や自己肯定感を奪っているのは悲しいことです。
わたしはわたし ひとはひと
昨今、「小さな出来ないこと」にとらわれ、「自分だけの強み」を見失っている方が沢山いるように思えます。
そこから自己肯定感を失い、メンタルを病んでしまっては元も子もありません。
借金玉さんのように「努力以外の選択肢」を考えることはとても大事なことですよね。
ちなみに「自分の強みがよくわからない」という方は「ストレングス・ファインダー2.0」などのツールを活かしてみるとよいと思います。
ストレングス・ファインダー2.0は30分程度のボリュームの質問に答えることで、34種類の資質のうちあなたにピッタリな資質のTOP5を教えてくれます。
自分の得意な領域と不得意な領域を把握、あるいは整理する助けになりますので、なかなかおもしろいですよ。
また、借金玉さんの本はどんな方が読んでも為になると思いますので、是非一度ご覧になってくださいね。
/ねころす