なぜ、自分には才能がないのだろう。
あなたはそんなことを感じたことはありませんか?
私はしょっちゅうです・・・!
努力でもなかなか超えられそうもない壁にブチあたったとき、人は「才能がない」という言葉で自己解決を図るのかもしれません。
でも、世の中には色んな分野で成果を出し続ける人間だっています。
いわゆる「成功者」と呼ばれる人たちですね。
もし、彼らと私達に、「才能」以外の違いが何かあるとするならば。
それを知ることで、私達だって大きく変化することは可能なはずです。
確かにそうだね・・・!もしそんなものがあるなら、知りたいぜ!
今日はそのヒントになりそうな本、「マインドセット 「やればできる!」の研究」について考察します!
- つまづくことを知らない子供たちのマインドセット
- 人のマインドは「硬直マインド」と「しなやかマインド」の2種類がある
- 2つのマインドによって人生のあり方が大きく変わる!
- 「点」の人生か「線」の人生か
- 社会的に成功者と呼ばれる人間でも硬直マインドは少なくない
- 硬直マインドがしなやかマインドに変えられるのか?
つまづくことを知らない子供たちのマインドセット
「マインドセット 「やればできる!」の研究」は、スタンフォード大学の心理学者、キャロル・S・ドゥエックにより書かれました。
あのビル・ゲイツが、めちゃくちゃ絶賛している本らしいぞ!
この本が生まれるきっかけは、「人は失敗するとどうするのか」という研究のために、子供にパズルを解かせたことに端を発します。
最初は簡単なパズルを解かせ、次に難しいパズルを与えたときの子供をモニターしていると、想定外のリアクションをとる子供が現れたのです。
難しいパズルを出された10歳の男の子は、椅子を引き寄せ、手をもみ、唇をなめながら、元気よくこう言った。
「ぼく、なかなかとけない問題って、だいすき!」
(マインドセット 「やればできる!」の研究 より引用)
ドラゴンボールの悟空みたいだな・・・!
この想定外のリアクションに、キャロル・S・ドゥエック教授はガーンとぶん殴られたような衝撃を受けます。
さらにこういった反応を示した子達は、成長につれメキメキと頭角を現し始めます。
「いったい、どうなっているんだ・・・?」
ここから、実に20年にもわたるマインドセットの研究が始まるわけです!
人のマインドは「硬直マインド」と「しなやかマインド」の2種類がある
「マインドセット 「やればできる!」の研究」では、人のマインドを2種類にわけて定義しています。
- 硬直マインド
- しなやかマインド
それぞれ「能力」に関するとらえ方に、大きな違いがあるんですよ。
まず「硬直マインド」タイプにとって”能力”とは、予め決まっているものです。
彼らにとって人生の価値は、「合格」「成功」「勝利」という指標そのものです。
いわゆる「賞状」や「トロフィー」に出来るようなことね
一方、「しなやかマインド」タイプにとっての”能力”とは、努力次第で伸ばせるもの。
かれらにとって人生の価値とは、「自己成長」にあります。
最初の子どもたちは、「しなやかマインド」だったってわけか
この2つのマインド、実は誰しも両方備わっているものなんです。
ただし、今まで受けてきた教育や親の考え方(価値観)によって、どちらかに大きく偏ってしまうんです!
2つのマインドによって人生のあり方が大きく変わる!
この2つのマインドでは、人生のあり方が大きく異なってきます。
なぜなら、人生において多々現れる問題や困難への対処の仕方が違うからです。
たとえば学校の成績表があまりよい評価でなかった場合、硬直マインドの子供の場合の受け止め方はこうです。
「この成績では親に叱られてしまう。どうしよう・・・」
つまり気になるのは親という第三者の評価であり、主体が自分じゃないのね
一方、しなやかマインドの子供の場合は、悪い成績でもこのように捉えます。
「成績が悪かったことは仕方ない。 で、これから僕は何をやるべきだろうか?」
あれ? 失敗や敗北という概念がない・・・?!
彼らにとっての悪い成績とは、今の自分の状況を知らせてくれる「情報」でしかありません。
一方、硬直マインドにとっての悪い成績は「恐怖」「落胆」等、成長にまったく寄与しない情報が紐付いてきます。
これ、自分の子供の教育についても考えちゃうテーマだなぁ・・・
「点」の人生か「線」の人生か
この2つのマインドの違いがよりわかりやすくなるよう、図を書いてみました。
多少見づらいけど、許してくださいね
硬直マインドにとっての人生観は、常に成功か失敗かをわける転機、すなわち「点」が点在しています。
この「点」の結果によって、上方に向かうか下方に向かうかが分かれる人生といえるでしょう。
一方、しなやかマインドの人間にとっての人生とは常に成長しつづける「線」の人生です。
目指すのは常に上なので、「失敗」という概念自体がありません。
結果として下に向かうことがあっても、目線は常に上に向かっています。
この2つのマインドによる違いを、「マインドセット 「やればできる!」の研究」ではスポーツ、ビジネス、教育、人づき合い(恋愛や夫婦関係含む)など多岐にわたって検証しています。
つまりこれが20年もの研究ってことか。本で読めるってありがたいな・・・
社会的に成功者と呼ばれる人間でも硬直マインドは少なくない
たとえ社会的に成功者と呼ばれる人間でも、必ずしも「しなやかマインド」の人ばかりではありません。
硬直マインドでゴリゴリ経営をやっている人間も少なからずいるんです。
うちの会社の幹部クラスにもゴロゴロいるよ、こういうの
しかし、硬直マインドの経営者を観察してみると、一時は隆盛を迎えてもどこかで没落を迎えてしまうようです。
その理由は、硬直マインドの経営者が自分の周囲を「才能ある人間」ばかりで固めるからではないかと考えられています。
つまり、完成品で揃えた組織は成長を前提としないわけですから、未知の問題が発生したときに「組織の限界値」を上げて乗り越えることができないのです。
なるほど。要はLV99の戦士しかいないパーティーってわけか
その不名誉なビジネスパーソンの代表各として、「マインドセット 「やればできる!」の研究」ではフォード経営者の経験をもつリー・アイカコッカの名をあげています。
今でいうとカルロス・ゴーンもここに当てはまるのかもしれませんね。
硬直マインドがしなやかマインドに変えられるのか?
さて、世界的な経営者の話からぐっと身近な視点に戻ってきましょう。
何よりも大事なのは、あなた自身がどちらのマインドかということです。
「学歴社会」が根深い日本で育ってきんだから、「硬直マインド」である可能性はかなり高いよな・・・
出来ることなら「しなやかマインド」で生きていきたいですよね。
人は硬直マインドからしなやかマインドになることは可能なのでしょうか?
もし、あなたがしなやかマインドの概念を理解し、「そうありたい」と強く意識すれば、「硬直マインド」から「しなやかマインド」に切り替わることは可能です。
「マインドセット 「やればできる!」の研究」でも「学習できる環境がある限り、世界中の誰もが能力を伸ばすことは可能」と結論付けています。
「今日は私にとって、周囲の人にとって、どんな学習と成長のチャンスがあるだろうか?」
この言葉で朝を迎え、困難に対峙することができれば、やがてあなたから「失敗」の二文字は消えてなくなるでしょう。
それこそが、あなたが「しなやかマインド」に切り替わった何よりの証しといえるはずです!
よぉし、がんばるぞ!
「マインドセット 「やればできる!」の研究」は、常に手元で繰り返し繰り返し読みたい本です。
自分が嫌いな方、自分を変えたい方は是非ご一読なさってみてください!