もうタイトル買いでしたねこれは。
「なぜ僕らは、こんな働き方を止められないのか」!
帯には「人生ハードモードの方、必読!」との文字も。
こりゃあ読むしかないよね!というわけでレビューです!
「なぜ僕らは、こんな働き方を止められないのか」はこんな本!
この本の著者、松井博さんは7年ほど米アップルで働いていた経験がおありだそうです。
なので、海外の企業からの目線で、日本企業のおかしなところや問題点が指摘されているのが、本書の特徴といえます。
内容は以下、5つのパートにわかれており、共通するテーマは「時間」。
Chapter1 なぜ日本企業は、人の時間を大切にしないのか?
Chapter2 転職をマジで検討しているあなたへ
Chapter3 人生ハードモードの方が、むしろ生きてる証
Chapter4 「おっさん化」を遅らせる方法
Chapter5 生きにくさを軽くするライフハック
この手の本は「エビデンス重視」と「著者の体験重視」の2パターンに別れますが、「なぜ僕らは、こんな働き方を止められないのか」は完全に後者ですね。
「人生の先輩からのアドバイスを本で受ける」といったイメージで読むと、スッと頭に入っていくと思います。
「なぜ僕らは、こんな働き方を止められないのか」の見どころ!
この本の見どころはなんといっても、米アップルやフィリピン等で経験したグローバルな知見です。
個人的に「Chapter5」にあるライフハックは若干内容の薄さを感じたものの、Chapter1~3の内容は骨太で、十分読み応えのあるものでした。
そんな中で、ネコロス的に「琴線に触れた」見どころを、いくつかご紹介します!
みどころ①会社が個人の時間を尊重しない理由に納得、共感!
私が今の会社でフラストレーションを感じるのは、給与の低さとか仕事の難度ではありません。
仕事にかかる時間のロスが大きいことです。
具体的には通勤、会議、残業。これらは日常生活を著しく圧迫しています。
そのくせ「ワークライフバランスを大事に」みたいなこといってるんだよなぁ…
果たしてこれらの行為は会社組織を維持していくために必要なことなのでしょうか?
「なぜ僕らは、こんな働き方を止められないのか」によれば、この問題のほとんどはIT技術によって解消可能なものです。
しかしそれを取り入れない理由は「個人を信用していないから」というのが本書の見解。
なかなか過激ですが、核心をついているなーと思いました。どうも日本の企業は「従業員を同じ空間に集めて監督をおいてれば、一定量の成果は担保されるだろう」と考えているフシがあります。しかし決してそういうわけではないことは皆さんご存知の通り。
ただ、これらの問題は個人の力で解消することは難しいですね。なので、「自分たちでどうにか工夫して効率を上げていくしかないぞ」ということになります。
みどころ②アメリカの企業のイメージが180度変わった!
アメリカの企業といえば、どこか「自由に自分の意見を言える」というイメージがありませんか?
私は完全にそう思っていましたが、実際のところはNO。
アメリカ人は職場では基本的に超イエスマンです。上司がどんなに理不尽なことを言っても、面と向かって反論するなんてまずあり得ません。
(引用:「なぜ僕らは、こんな働き方を止められないのか」より)
詳しくは本書を読んでいただきたのですが、そうとうシビアな社会です。退職の時ですら、辞表を叩きつけるみたいなことは絶対ありえない社会。
海外勤務経験者は皆同じ見解のようです!
もし海外で生計を立てていくのであれば、英語力は当然のこと、コミュニケーション力や「タフなマインド」がない限り、相当難しそうです。
「わが子に英語力をつけさせて、将来海外で働けるように…」なんて甘く考えている親御さんは、認識を新たにしたほうがよいかもしれません。もっともアメリカに限ったことではありませんが。
みどころ③「損切り」の重要性について考える
「なぜ僕らは、こんな働き方を止められないのか」で最も印象に残った章は「22 成功するかどうかは「損切りの覚悟」と「挑戦を続ける根性」でだいたい決まります」です。
この章はほんとにいいことを書いています。
成功者を私達は時折「あの人は運が良かったんだ」とか「あの人は”もってる”」等といいがちですが、実際にはアクションによって誰よりも多くサイコロを振ってるんですよね。そのアクションを知らず、我々は結果だけを見ているわけです。
また、サイコロを振って「悪い出目」が出た時の対処も大事です。
「これってもうダメじゃね?」って思ったらサッと撤収すること。これが大事ですが、人はなかなかそれが出来ません。「コンコルド効果」が発動されるからです。
コンコルド効果とは・・・
「埋没費用効果 (sunk cost effect)」の別名であり、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態を指す。 超音速旅客機コンコルドの商業的失敗を由来とする。
(Wikipediaより)
このあたりをズバッと書いている本章は、読む価値あり。付箋を何枚も貼っちゃいました!
「なぜ僕らは、こんな働き方を止められないのか」まとめ
「なぜ僕らは、こんな働き方を止められないのか」は、読む前と読んだ後では結構印象が変わります。
キツイ状態で働いているのを何とかしてくれるようなソリューションというよりも、「日本の企業や働き方のダメなところ」をバスっと指摘して、読者の目線を変えさせてくれるような本という風に自分は感じました。
また、著者はうつ病を経験されたこともあり、「メンタルが崩壊しかかっている人」にとっては実践的なアドバイスも沢山載っています。
総じて、「出来る先輩からのアドバイス」みたいな本といえるでしょう。私のように中堅会社員よりも、若手会社員のほうが需要の高い内容かもしれませんね。
興味のある方は是非お手にとってみてください。
以上ですたい!
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