1巻で完結するマンガ本って大好きなんです。
なんというか、長編マンガとは違った「密度」が感じられるんですよね。
で、「1巻で完結するマンガ本」的なキーワードで検索してみたんですけど、「25選!」とか「50選!」とかそんなんばっかり。
…ちょっと多すぎ…。
たくさん読みたくないから1巻完結の漫画が好きなのに、
紹介する冊数が多いなんて本末顛倒です。
そんなわけで、私がオススメするのはたった「5冊」です。
でも、どれも面白いですよー!
①虫と歌 市川春子
「宝石の国」でおなじみに市川春子先生の短編集です。
なんというか、世界観やコマ割りが独特ですね。
「宝石の国」を読んだ方ならおわかりになるかと思いますが、
市川先生の漫画は、一コマ一コマに色んな描写が込められています。
文字だけを流し読みしてストーリーが掴めるような漫画ではありません。
どこかフランス映画のような、洒落た雰囲気があり、大変詩的。
私は「星の恋人」という、植物人間同士の恋の話が好きです。
秋の夜長にコーヒーでも飲みながら、心地よい世界観に浸りたい一冊。
あ、あとこれは電子書籍より紙の本のほうがいいですね。
カバーがエンボス加工されていて、これまたとーってもオシャレです。
②惑星9の休日 町田 洋
お次は「惑星9の休日」です。
町田先生も絵が独特ですね。
とにかく細い線で描かれる登場人物は、どこか90年代の小説の挿絵のようなタッチで逆に新鮮。
作画中の空間のとり方とか凄く心地よいんですよね。
細かいところですが「雲」の描き方とかとても好きです。
さて、肝心の中身ですが、ショートストーリーが8つ収録されてます。
どれも星新一を彷彿とさせるちょっと不思議なストーリーですね。
「衛星の夜」はムーピー的な女の子が出てきますが、手塚治虫の火の鳥からインスパイアされたのかな?
ちょっと切ない読了感のお話でした。
とにかく絵とストーリーの調和がここちよく、定期的に読み返したくなる漫画です。
③史群アル仙作品集 今日の漫画 史群アル仙
現在は改名された「七野 ワビせん」先生の短編集です。
これはとにかく濃い!そしてどれも切ないです。
元はTwitterで発表していた1P漫画ですよね、多分。
この単行本では1P漫画とイラストが交互に掲載されており、ちょっとした画集のような感じです。
手塚治虫のようなタッチですが、読み終わった後のほろ苦い感じもまさに治虫チック。
帯に書いてある「懐かしくて、かわいくて、切なくて、つらい。」は言い得て妙だと思いました。
かなりオススメの一冊です。
※「今日の漫画」には「2」も出てますが、続きものではないので1巻完結漫画としてカウントしてます。
④竜のかわいい7つの子 九井諒子
「ダンジョン飯」の漫画でおなじみ、九井諒子先生の短編集です。
もう、表紙からにぎやかで、面白そうな感じがしますよね。
7つの短編集が収録されています。
SFから現代、中国が舞台の漫画など筆の幅広さに驚かされますね。
九井さんの頭の中はどうなってるのでしょうか…。
この本で私が一番好きな話は、「金なし白祿」という話です。
主人公は白祿という名の孤高の画家のおじいさんの話なのですが、お話自体もとても秀逸で感動します。
また、「かぐや姫の物語」みたいに筆で書いたようなタッチがよい。
他の短編にも竜や人魚などモノノケも沢山出てくるので、妖怪や不思議な話がお好きな人は、きっと気に入っていただけるかと思います。
⑤夏がとまらない 藤岡拓太郎
はい、ラストはギャグ漫画です。
9割近い話が、おっさんの変質者の話といっても過言ではありません。
クラスに1人はいませんでしたか?
絵はそこまでうまくないけど、めちゃめちゃ面白い漫画をかくやつ。
登場人物はハゲた社会の先生だったりして、これまた似てるもんだから面白い。
あのノリです。
この方もTwitterで漫画を発表し始めて、評判になって書籍化にいたった実力派ですね。
むちゃくちゃ読み応えありますよ。
感動するような話は、はっきりいってありません。
しかし、読み終わったらもの凄く元気が出る漫画です!
大好き。
まとめ
ワンピースやキングダムのように大長編もののマンガも面白いのですが、「全50巻」とか続いていると「果たして全巻読めるだろうか・・・」と読む前から構えてしまいます。その点、1巻完結だと気持ちもラクですし、ショートストーリー仕立てだと少しずつ読み進められるのが魅力です。
今回ご紹介したマンガは、「最近マンガを読んでないな」というアナタにこそオススメです!
仕事の出来る人間って、意外とマンガ読んでたりするんですよね。
感性の潤滑油でもあるマンガを、あなたも是非読んでみてくださいね!