ネコロスです。
当ブログでは、ことあるごとに”ワーキングメモリ””ワーキングメモリ”と言っているのですが、そもそもワーキングメモリとは一体何なのでしょうか。
ワーキングメモリを「地頭」と表現する人もいますが、多くの人が「IQとは似て非なるもの」「短期記憶みたいなもの」ぐらいの認識しかもっていないと思います。
知能の高さを示すスコアとして代表的なものはIQですが、「社会的な成功」と相関が強いのは実はワーキングメモリなんです。
IQの高さと実務能力が関係ないことは、第一次大戦時のヤーキーズのテストで反証されてます!
また、IQは遺伝子や環境に依存し、「努力でなかなか上がらない」と言われていますが、ワーキングメモリは運動や食事、生活スタイルの改変・改善などで上げることが出来るのも大きな違いの1つ。
つまり「IQがたいしたことなくても、ワーキングメモリを鍛えれば誰でも変わることが出来る」ということなんです。
今日はそんなワーキングメモリの働きについて、バッチリ記事にしたいと思います!
ワーキングメモリの働きについて
ワーキングメモリとは一言でいうと『情報を処理する力・キャパシティ』です。
働き方のイメージとしてはオーケストラの中心でタクトを振る「指揮者(マエストロ)」。状況から得られた情報を順序だて、時に大胆に処理していきます。
そんなワーキングメモリの働きについて具体的に見ていきましょう。
情報に優先順位をつけて処理する
現代人は多くの情報に晒されています。
会社では一日何百ものメールが届きますし、それらを一つ一つ読んでいるだけであっという間に半日ぐらい過ぎてしまった…という経験はあなたにもあるのではないでしょうか。
本来やるべき重要なことを選択し、実行出来るのはワーキングメモリが十分に機能してこそです。
目先の些末なことに気を取られて、あっという間に時間が過ぎてしまう…という場合、ワーキングメモリの働きが弱まっているせいかもしれません。
重要なことに集中する
私達が普段認識していないだけで、日常には実に多くの情報が溢れています。
そういった情報を遮断し、重要なことだけに集中することを助けるのもワーキングメモリの機能の1つです。
ワーキングメモリが弱いと、些細なことで集中力がかき乱されてしまいます。
周囲の音や視界に入るものが気になって仕方ない…そんなときはワーキングメモリが低下しているサインです。
ADHDとワーキングメモリの弱さとも相関がある、と考えられています。
機転を効かせたり、瞬時に最適な判断をする
物事を判断するとき、「お願いだから、10分だけ考えさせて!」といえるような状況ばかりではありません。
ビジネスにせよ不意のアクシデントにせよ、即断即決を求められる場面はかならずありますよね。
ワーキングメモリがしっかり機能していると、わずかな情報をつなぎ合わせたり、過去の経験を引っ張ってきたりして「最適解」を弾きだそうとします。
いわゆる「地頭の良さ」と直結する機能といえるかもしれませんね。
変化に強くなる
ワーキングメモリは古い環境から新しい環境に移行することを助けます。
生きていれば、思わぬタイミングで環境の変化が起こることがしばしばあります。
転校…転職…離婚 などなど!
たとえば恋人と別れた時を例にとってみましょう。
ワーキングメモリが強い人の場合、ちょっとだけ落ち込んだのち、すぐに新しい恋を探すことが出来ます。
一方でワーキングメモリが弱い人の場合、いつまでもウジウジと立ち直れない…という状況から抜け出ることが出来ません。
変化に強い、タフといわれる人はワーキングメモリが強い人といえそうです。
モチベーションやポジティブを維持する
ワーキングメモリが十分に機能していると、短期的なメリットではなく長期的なメリットを選ぶことが出来ます。
このことを示す有名な実験に「マシュマロ実験」というものがあります。
これは1960年代にスタンフォード大学で行われた実験で、600人の子どもたちの被験者に「今すぐマシュマロを1つ食べるか、しばらく待って2つ食べるか」を選択させました。
子ども達にとってマシュマロは大好物なので、我慢できずにすぐに食べる子と「後で2個もらう」ために必死で我慢する子どもに別れました。
その後、子ども達がどうなったのか追跡調査をしたところ、マシュマロを我慢することが出来た子ども達のほうが知能テストのスコアが高く、さらに衝動を抑える能力に長けていたことが判明したのです。
目先のお菓子をついつい食べてしまい、ダイエットに失敗してしまう…という人はワーキングメモリの働きが弱まっているかもしれませんね。
自分の軸がブレない
ワーキングメモリが強いと、周囲の影響を受けにくくなります。
集団でいると、暗黙のルールであったり同調圧力により、本来不本意な行動を行ってしまいがちですが、ワーキングメモリが強いと自分の軸を失うことがありません。
また、誘惑に対しても強くなりますので、「誰も見ていないのをいいことに不正が出来る」立場にあっても、自制することが出来るのです。
「つい出来心で会社のお金に手をつけてしまった」というニュースが後を立ちませんが、こういう人は「出来心」や「魔が差した」というよりも
そもそものワーキングメモリが脆弱だった、というほうが正といえるかもしれませんね。
ワーキングメモリが低下することで起こる弊害
ワーキングメモリは以下の要因で弱まります。
情報過多
ストレス・疲労
目先の強い誘惑
判断に対し十分な時間がない
痛みや疲労
恋愛(恋は盲目)
喫煙・過食などの悪習慣
ワーキングメモリが普段から鍛えられているとこれらの影響を受けにくいので、子どもだと学業で成果が出やすく、社会人だと自己実現に近づくことが出来ます。
性別年代問わず、ワーキングメモリの働きが幸せな人生のキーになるといえるでしょう。
「毎日をもっと充実して生きたい」という方はなにをおいてもワーキングメモリを鍛えるべきなのです。
ワーキングメモリを鍛える方法は何か
ワーキングメモリは「脳トレ」のようにアプリやゲームをやることで鍛えることは出来ません。
また、いくら勉強をしても「機能があがる」というものでもないのです。
それでは、どうすればワーキングメモリを鍛えることが出来るのでしょうか。
ワーキングメモリを鍛える方法として有効な手法が「走ること(有酸素運動)」であることが、イリノエ大学の研究の他、様々な研究で示唆されています。
30分の有酸素運動を週に3回がベスト!
走ることにより期待出来る効果は過去に記事にしてますので、ぜひ御覧ください。
・関連記事:>>今すぐ始めよう!脳とメンタルに効く最強の運動!
また、足の裏からの刺激も重要であり、裸足で歩いたり走ったりすることもワーキングメモリを鍛えることに有効です。
とはいえど、野外を裸足で過ごすことに抵抗がある方がほとんどと思いますので、「超薄底」のベアフットシューズを普段から履くことをオススメします。
・関連記事:>>【簡単】ベアフットシューズで毎日ワーキングメモリを鍛えよう!3000円台からのオススメシューズ
まとめ ワーキングメモリを今すぐ鍛えよう
IQが高いことが成功者の条件、と考えられていたのはもう昔の話。
「IQよりワーキングメモリのほうが遥かに重要」というのが、最新の定説です。
ワーキングメモリのよいところは、誰でもいつからでも鍛えることが出来ること。そしてそのために高額なお金が必要…ということもありません。
この記事を読み合わった後、30分ほど走るだけでもワーキングメモリを鍛えることが出来るのです。
自分の子どももワーキングメモリを伸ばしてあげたい!
私自身、週に30分走ったりベアフットシューズをはくようになってから、様々な変化を体感しています。
あなたもぜひワーキングメモリを鍛えてみてくださいね。
また、この記事を書くにあたって、以下の書籍を参考にしています。
運動とワーキングメモリの関係への理解が深まると、持続するモチベーションにもなりますよ。興味があったらお手に取ってみて下さいね。
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